家紋とつまみ細工「つまみ紋」

※「つまみ紋」は蒼菊さんの登録商標(第6175120号)です。

日本の家紋は2万種類ほどあり、平安時代中期(900年~)が起源といわれています。当初は家の紋というよりは、貴族の象徴であり、器物や花鳥風月をモチーフにしたものでした。そのうち武士が戦場で敵味方を区別するために使う様になり、紋もよりシンプルになっていきます。

江戸時代(1603年~)になると家紋は権威の象徴となり、家のシンボルとして礼服にもつけられたりと儀礼として利用されるようになります。それが次第に町人の間でファッションとして取り入れられるようになり、大ブレイクします。その当時は家紋をデザインする絵師もいたそうです。

明治時代(1868年~)に入ると庶民でも苗字や家紋を持つ事が許され、家紋という文化が広まりました。

この日本人のアイデンティティともいえる、家紋をつまみ細工で表現した「つまみ紋」を考案されたつまみ細工作家「蒼菊」さんの作品をご紹介いたします。

つまみ紋の初めての作品「一つ藤巴」
何がきっかけで「つまみ紋」を考案されましたか?

元々、私自身が家紋のデザインには興味がありまして、つまみ細工のおちりんや半クスは基本円ですが、家紋も同じ円の中で構成されているので、つまみ細工で表現できないかと思ったのがきっかけです。

「つまみ紋」のオーダーメイドをされていますが、どのような方からのオーダーがありますか?

つまみ紋のオーダーについては様々ですが、多くはお母様からお嬢様のために、七五三や成人式にとオーダーいただいております。オーダーのやり取りの中で、ご家族の人生の節目の行事にはぜひ自分のお家の家紋をと、家紋の継承をとても大切にしてらっしゃる印象を受けます。

お嬢様用のかんざしとお母様用のブローチ 色違いで「丸に剣木瓜」
役者様への贈答用の根付「丸に下り藤」

他のオーダーとしては、大衆演劇や舞台の役者様への贈答品用としてのオーダーも多いです。

伝統工芸つまみ細工と家紋のコラボレーション「つまみ紋」は、日本の職人の手仕事によって日本人のアイデンティティを表現された意義深い作品です。

母から娘へ、娘から孫娘へと代々受け継いでいる
女紋のブローチとヘアクリップ「裏牡丹」
贈答品用の家紋入り勝山かんざし「揚羽蝶、重ね扇に抱き柏」

「つまみ紋」は、新しいつまみ細工の表現方法の一つであり、つまみ細工の更なる発展の可能性を感じることができます。

「つまみ紋」のオーダーリクエストをご希望の方はこちらから

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