世界のつまみ細工アーティスト 第8回 サラ・チョウさん

世界で活躍しているつまみ細工アーティストの方々に、つまみ細工について語っていただきます

海外のつまみ細工作家の8人目は香港で活躍されているアーティスト、サラ・チョウさんです。

プロフィール

2015年– つまみ細工アクセサリーを学び、作り始める。
2017年 – 自分のブランド「tsumami fatfad」を立ち上げ、地元の手仕事フェアでつまみ細工のアクセサリーを販売。
2019年 – オンラインプラットフォーム上で店をオープン、海外向けに作品を販売

Facebook:
http://www.facebook.com/tsumamifatfad

Instagram:
http://www.instagram.com/ffdtsumami

Q1. つまみ細工を始めたきっかけは?(あるいは携わるきっかけになったことは?)

私は以前から日本文化に興味があり、学生時代に日本語を学びました。   最初につまみ細工を作ろうと思ったのは、美しい和柄の布で作られたブックカバーを手に入れたことがきっかけでした。  そこで、ブックカバーを飾るつまみ細工の花の作り方をネットで検索してみました。 そこで基本の花びらの折り方は2~3通りしかないのに、いろいろな花が作れることを知りました。  それに感動し、今後ももっと技術を磨いていきたいと思っています。

Q2. 作品へのこだわりや、大事にしているところは何ですか?

つまみ細工の最大の魅力は、花かんざしの優美さに違いありません。しかし、日常生活の中でかんざしを身につける機会はなく、さらに日本に住んでいない人にとっては、かんざしを身につけることは先ずありません。つまみ細工とイヤリング、ネックレス、ヘアアクセサリーなどの普段使いのアクセサリーを組み合わせて、伝統的なつまみ細工の魅力を現代的に感じてもらい、つまみ細工の美しさをもっと多くの人に知ってもらいたいです。

Q3 あなたにとって、つまみ細工の魅力とは何ですか?

香港では日本文化が大好きな人が多いのですが、つまみ細工は子供のアクセサリーとして、あるいは単に「日本の布の花」として扱われがちです。 私にとってつまみ細工は、伝統的でかつ体系化された特別な手仕事の技術です。この技法を使えば、花だけでなく、動物や星、波など、たくさんの生き物を作ることができます。 勿論、つまみ細工で花を作るのが一番素敵なのですが、私はその可能性と多様性に惚れ込んでいます。苦手なグラフィックデザインと違って、基本的なパーツをたくさん作り、それを組み合わせて大きな作品にしていくというパズルのような体系化した作業は、私にとっては絵や絵を描くよりも、得意だと感じる感覚が大きいです。

Q4. つまみ細工の今後の可能性についてどうお考えですか?

つまみ細工は、現代的で西洋的な要素を加えることができます。  伝統的な花かんざしの他にも、先ほどお話したように様々なものを表現することができます。 ただ、花以外のつまみ細工を作るときには、見た目が典型的なつまみ細工に見えないこともあります。新しいデザインの作品を表現する時、「これは客観的に見てつまみ細工と言えるのだろうか?」といつも自問しています。
  現代の世界でつまみ細工を取り入れる上で伝統と西洋(和洋折衷)のバランスをとる事はとても大切だと思います。

Q5.今後作ってみたい作品は?

これからも、あまり伝統的なものではなく、日常的に使うものをどんどん作っていきたいと思っています。例えば、ちょっとした花かんざしをポニーフックにしてみたり、花束をかんざし風にしてみたりと、普段の生活の中で目にするものに合わせて、どうやってつまみ細工を使うかを考えているので、いろいろな可能性があります。

Q6.つまみ細工はあなたの国でどのような展開が期待できると思いますか?

香港は国際都市であり、人々は日本文化をこよなく愛しています。  すでに多くのプロの先生方が、基本的なつまみ細工の技術を教えるクラスを開催しています。  私はこれからも自分の作品の制作を活動の中心として、着物の髪飾りだけでなく、現代的で様々な使い方ができる様により多くの人に知ってもらいたいと思っています

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