つまみ作家・職人の紹介 第20回 f23 前田 二三代さん

著名なつまみ作家の方々につまみ細工への思いを語っていただきます。

第20回目は、島根県をベースにして活躍されている
f23 前田 二三代  (エフ ニジュウサン  マエダ フミヨ)さんです。
プロフィール

2004-企業の規格管理部門で働く傍ら brocante f23 としてハンドメイドイベント等で出店販売を始める。


 *brocanteは 古道具好きからこのワードを常用。本来の古道具と言う意味よりは、古くになるほどに大切に使って頂けるものづくりを目指すと言うコンセプトで用いています。

2014- 企業を退職し、f23として本格的に活動を開始 ワークショップ等も手がけ始め、成人式に向けたショートな教室も開始。
2018- 島根県松江市にクラフトとカフェを併設したmatsue brocante を開業。一角に自身のつまみ細工の店 f23 を設け、現在も制作し販売中。(ワークショップ、教室は現在コロナ感染症を懸念し休止中。目処が着き次第再開予定。)
2020- 第53回 島根県総合美術展 工芸の部 にて銅賞を受賞

Instagram:
https://instagram.com/cyobi8108

Twitter:
https://twitter.com/matue_brocante

Q1. つまみ細工を始めたきっかけは?(あるいは携わるきっかけになったことは?)

一人娘につまみ細工の髪飾りを作りたい。全てはここから始まりました。当時はこれと言った手芸本や資料も殆ど見当たらず、私自身がはるか昔に七五三で使用した髪飾りを分解、観察し見よう見まねで作りました。 当時の初作は取ってあります。とても人様にお見せ出来るものでは有りませんが、娘を思って作った最初のつまみ細工なので初心を忘れない為にも、いつも自宅の作業用デスクに飾ってあります。

Q2. 作品へのこだわりや、大事にしているところは何ですか?

つまみ細工は伝統工芸として有名ですが、その本当の継承者は極ひと握りの方々です。伝統的手工、構成には大変強い憧れがありますが、継承者でもない私が簡単に伝統を扱う或いは名乗ることは失礼に当たると思うようになりました。基本的な技法はつまみ細工のそれですし、尊敬と憧れはあるものの、伝統的とは異なる表現や素材を自由に使い、独創的でドラマチックなつまみ細工を常に探求しています。

また、工芸は使う事が大前提です。美しく、丈夫で使い勝手の良い、精度の高いつまみを日々目指しています。

Q3. あなたにとって、つまみ細工の魅力とは何ですか?

ひとつのつまみ片は実にシンプルですが、様々に形成、集合させることで果てしない表現が出来ることです。
手のひらの中に芸術が収まる。染色、素材、技法。全てに魅了されていますし、これからも魅了され続けることでしょう。

Q4. つまみ細工の今後の可能性についてどうお考えですか?

それはもう、布を或いはそれに近い素材を使って良い場合なら、どんな可能性も秘めていると言っても過言ではないと思います。大きくも、小さくも、ダイナミックにもスタティックにも、ゴージャスにもシンプルにも。表現のあらゆるシュチュエーションに対応出来るのでは無いでしょうか。

そして、環境や思考の異なる人が様々につまめは、その作者の数だけつまみ細工の表現があると思うので、可能性は無限大に等しいと考えています。

Q5. 今後作ってみたい作品は?

挑戦したいものはたくさんあります。例えば、ドレスのデコルテやヘムを美しく装飾するのはとても魅了的で、やりがいのある事でしょう。ウェディングドレスやイブニングドレス、パーティドレス等につまみ細工で装飾を施したらエキゾチックにもアンティークにも演出が可能です。但し、それには大変大きな課題があります。クリーニングです。これに耐えるつまみ細工が可能でしょうか。布なのでクリーニングは出来なくは無いでしょうが、当然形状が崩れてしまい、つまみ細工の美しさを保つことは現在では出来ないでしょう。しかし、いつかこの難題に光が射すことがあるように、常に心に留めておきたいと思います。

またそれとは別に、これ迄以上の細かな細工と表現で、髪飾りや身近な装飾品の完成度を極めて行きたいと思っています。

いつかクリーニングの出来るつまみ細工が可能になった時、私の技術が拙く、それに挑戦出来ないなんてことの無いように。

関連記事

  1. つまみ作家・職人の紹介 第22回 UNAROMATICA(アンア…
  2. 家紋とつまみ細工「つまみ紋」
  3. つまみ作家の紹介 第1回 淺原大雅 さん
  4. つまみ作家の紹介 第6回 矢野裕美さん
  5. つまみ作家の紹介 第17回 岸 記子(きしのりこ)さん
  6. つまみ作家の紹介 第9回 すずまち 栗原宏予さん
  7. 世界のつまみ細工アーティストの紹介 第6回 劉雅婷さん
  8. つまみ作家の紹介 第13回 「つまみ細工と表現」 薫香-kunk…
PAGE TOP