つまみ細工に様々な立場から関わる人達につまみ細工への思いを語っていただきます。
今回は、”つまみ細工花びら”としてつまみ細工のワークショップの開催や教本を出版してつまみ細工の普及に積極的に関わられている後藤みなさんです。
プロフィール
屋号 つまみ細工 花びら
2011年4月 つまみ細工ブログを開始、作品や作り方を公開
2011年9月 つまみ細工教室&通信講座を開始
2015年5月 1作目の著書「素敵なつまみ細工」(ブティック社)上梓
2018年4月 2作目となる「付録付きですぐ作れる つまみ細工の可憐な花々」(ブティック社)上梓
2021年1月 「改訂版 つまみ細工の可憐な花々」(ブティック社)上梓
ブログ:
https://ameblo.jp/flowerflakes/
オンラインストア:
https://flakesofflower.stores.jp/
Instagram:
https://www.instagram.com/mina.goto/
Facebook:
https://www.facebook.com/flakes.of.flower.goto/
Twitter:https://twitter.com/minagoto_flower
Q1.つまみ細工を始めたきっかけは?(あるいは携わるきっかけになったことは?)
つまみ細工を始めたのは、小学生の頃、祖母に教わったことがきっかけでした。
その後、佐田先生がNHKのハンドメイド雑誌「婦人百科」に載せておられた「花の小箱」を夏休みの宿題として作ったり、小さなカードや人形の家などをデコったりと自己流で楽しんでいました。
結婚後、2011年3月に東日本大震災があり、関西出身の主人が子供を連れて大阪に避難してしまいました。仕事で東京を離れられなかった私は、家ですることもなく、つまみ細工で作った作品をブログにアップして、共通の趣味をもつ方と交流出するのを楽しむようになりました。
当時はまだ教室や書籍が少なかったこともあり、開催当時からたくさんのお申し込みを頂くことが出来ました。また遠方の受講生さん方ともメールやSNSで交流しながら、楽しく教室を運営することが出来ました。最初は作り方などを簡単に文字とブログの写真(ガラケーです!解像度低い写真でした)でお伝えしていたのですが、「もっと詳しく!」「直接聞きたい」というお声を頂き、教室と通信講座を開催することにしました。
Q2.教えるときのこだわりや、大事にしているところは何ですか?
大切なのは、講師が「教えた」という事実ではなく、受講生が「理解する」ということだと思っています。
そのため、一つのことを説明するにも、その理由やメリット、他の方法との違いなどを説明し、多角的に理解頂くように努力しています。
テキストも大切で、基本のつまみをする最初の作品だけで13ページとかなりのボリュームですが、コマ送りの写真と図で丁寧に説明をしています。
「人間は忘れる」ということへの対策も教える中では重要で、初級コースからの積み重ねでは、次の作品で前の作品の復習ができるようにコースの構成を考えています。
通信でも教室でも同じ詳しいテキストをお渡しすることで、受講から時間がたっても復習しやすいようにしています。
講師講座では、このような「教える」ときの基本理念とともに、日々のスケジュール管理やクレーム対応、キャンセルポリシーの構築をワークとしてこなしてもらっています。この作業を通して、各自の生活スタイルや理念に基づいた、自分にあったゴール設定をしてもらい、目標に向かって一歩ずつ前進する手助けをしてます。
Q3. あなたにとって、つまみ細工の魅力とは何ですか?
材料が手に入りやすく、手法がシンプルであること、それを組み合わせることで様々な表現が可能となることです。生地の違い、配色の違い、ちょっとしたつまみ方の違いで様々な可能性を感じさせてくれるところが魅力です。まだまだ試してみたい手法や作って見たいデザインを形にすることが出来ていませんが、これからも精進していきたいと思っております。
Q4. つまみ細工の今後の可能性についてどうお考えですか?
出身が田舎だったせいもあり、30年前には知っている人を探すのも難しかったつまみ細工が、こんなに認知度が上がるとは思いもしませんでした。
2021年初現在、Instagramのハッシュタグ#つまみ細工の投稿は何と40万を超えています。
江戸時代から続く伝統を持つつまみ細工は、手法や材料も時と共に発展し、現在に至っています。その中でも現在の状態は、これまでで一番大きなブームであると言えるのではないでしょうか。
つまみ細工には、ついつい作りたくなる魅力があります。編み物や刺繍のように、一旦始めるとついつい、つまみ続けてしまうのです。そんな魅力のあるつまみ細工ですから、「ブーム」ではなく、メジャーな手芸のひとつとして誰もが知っている手工芸に発展するのではないかと思っています。
七五三や成人式では誰もが目にすると思いますし、もっと身近なものとして、これからも取り上げられる機会が増えるのではないかと期待しています。
Q5. 今後、講師としてどのようなことをやっていきたいですか?
私は同じものをたくさん作るよりも、新しいアイデアや見たことのないデザインにトライしてみたいという気持ちが強く、これからも試行錯誤をして、綺麗に作れる方法、効率的に作れる方法、面白いデザインなどを作り上げ、皆さんにお伝えしていきたいです。
また、これまでも取り組んできたことですが、デザインをするうえでバックグラウンドとなる考えを分解して理論的にお伝えするということにも更に積極的にチャレンジしていきたいと思っています。
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