
つまみ細工は今やつまみかんざしだけでなく、現代のライフスタイルに合ったものとしても使われる進化する伝統工芸となっています。日本でも、アクセサリーやインテリア小物として作られている方も多いですが、海外では自国の文化と融合させた作品が生み出されています。
今回は、西洋フォーマルとつまみ細工のコラボレーションについて、イギリスでご活躍のつまみ細工作家のCora Fungさんのつまみ細工ファシネーターを通してご紹介したいと思います。
私たち日本人がファシネーターと聞いてピンと来る方は少ないのではないでしょうか。そこでファシネーターの豆知識とCoraさんの作品作りについてインタビューをしてみました。
【ファシネーターってなに?】
ファシネーターとは、フォーマルな場で着用するヘッドドレスです。頭を覆う帽子とは対照的に、ファシネーターは頭の上に置いて、純粋に装飾品として使われていて、カクテルハット、パーチ、トッパーなどとも呼ばれます。通常、ゴムバンドやヘッドバンドで固定して、額の上、眉毛の少し上に斜めに置く感じです。
【イギリスではどのような場面で使われるの?】
1950年代以前は、女性は人前に出るときには髪を隠すことが求められていましたが、最近では、帽子やファシネーターはフォーマルなイベントのためのものとなっています。、競馬、結婚式、教会の礼拝、パーティーなどのイベントで着用されます。
【どのくらい人気があるの?】
王室のドレスコードのマナーでは、王室の女性はフォーマルなイベントでは帽子やファシネーターを着用することになっています。ですので、ファシネーターは常に英国のファッションシーンを彩ってきました。そして、今でもフォーマルなイベントでのヘッドウェアとして人気があります。大きなデパートでは、たいてい帽子やファシネーターの専門コーナーがありますし、イギリスには世界的に有名な製造業者がたくさんあります。
【なぜ、つまみ細工で作ろうと思ったのですか?】
髪の毛が短い人や細い人にとって、大きなつまみ細工のヘッドピースは付けにくいものです。そこで、つまみ細工をファシネーターのデザインに取り入れたところ、より多くの方につまみ細工の花を楽しんでいただけるようになりました。イギリスの人々はファシネーターに慣れ親しんでいるので、つまみ細工をファシネーターのデザインに取り入れることで、イギリスでのつまみ細工の普及にも役立つと思っています。SNSでも非常に高い評価をいただいています。
【どのようにデザインしていますか?】
かんざしを作るのと同じで、ほとんどが直感です。まず、色調とファシネーターのベースの形を決めます。まず、ベースの色と形を決めて、次に、使いたいと思うつまみ細工の花を作ります。最後に、花やその他のパーツを組み合わせて、最終的なデザインを決めていきます。
このように、つまみ細工が海外でその国の文化やファッションと繋がり、新しい形で広がっていることは本当に興味深く嬉しいことだと思います。また、これを見た方にとって良い刺激となり新しい発想が生まれ、また新たなつまみ細工が生まれていく。そのように世界に広がっていく、無限の可能性をつまみ細工には感じています。
Coraさん、ありがとうございました!
Cora Fungさんのインタビュー記事はこちら↓
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